草津温泉を出て、日が暮れて景色がどんどん暗くなっていく中車を走らせた。伊香保へはかなり時間がかかった。
行き道にも伊香保温泉を通ったが、先に日の出を見てこの旅の最後に伊香保温泉に寄って夜の雰囲気を堪能し、温泉に浸かりさっぱりして旅の締めにしようと決めていた。友人は睡魔が来たようで夕方から眠りについていた。
私もあまり寝ずに運転していたのだが何故か眠くならず…カフェインを取っていたわけでも無かったので、きっと体内時計かなにかが狂ってしまったのだろう。眠くならず機械のようにずっと運転している自分になんとなく気持ち悪さを感じた。
19時ごろ伊香保温泉に着いた。下調べをしていなく、何処に何があるのかわからなかったのでとりあえず温泉を探しながら石段を登ってみた。
ほとんどのお店が既に閉まっていて人も少しずつ減ってく中、階段を上がっていると横に駄菓子屋があった。最近では駄菓子屋も減って見ることがなくなっていたが観光地で見るとは思わなかった。
何処に温泉が有るのか分からずとりあえず階段の1番上まで登り切ってしまった。土地勘がなさすぎて露天風呂があるという案内を見つけるなりすぐその案内を辿って歩いて行った。
すぐ近くだと思っていたのだがすぐに人気の全くない通りに入り、進めば進むほど街灯が少なく、暗くなっていった。不安感が増しながら人の気配が全くしない道をひたすら歩いた。
明かりのついた休憩所を見つけた、温泉飲泉所と書いてある。どうやら温泉の水?が飲めるみたいだが鉄分が多く含まれているらしく美味しくないようだ。
この街灯を境にこの先が見えない、温泉はまだ見当たらず…ここまで引き返す訳にもいかずビクビクしながらも写真を撮って先に進む…。前も後ろも暗く、音もなく、人なんているはずがないといった状況で温泉なんてあるわけないと思うほどだった。
やっと歩き切り、着いたが暗くて何があるのかよく分からず見ていると人の銅像を視界の端に捉えた。人が微動だにせずじっとこっちを見つめているかに見えてドキッとした。目線を外さずじっと見ていたら銅像だという事に気やっとづいたが、それでもこんな暗い場所に銅像が有ると普通に怖い…。
人通りも無かったので分かってはいたが、結局温泉は既に閉まっていた。また2人でビクビクしながら来た道を早歩きしながら戻った。
結局、石段の途中にあった「石段の湯」というお風呂に受付終了ギリギリの19時29分に滑り込ませてもらった。30分で急いで頭と体を洗い、少しだけ湯に浸かって体をあっためた。バタバタしながらも温泉に入れたので疲れを癒すことができ、最後の観光としてこの旅を〆ることができた。3時間ほどかけてのんびり旅の終わりを噛み締めながら帰路についた。
私はこの旅で群馬の良さをとてもよく知る事ができた。
群馬に入ってすぐ山が見え、景色の雰囲気に良さを感じ、興奮した。そして1日丸々使い車で群馬を走り回り、観光地をめぐりさらに好きになった。
コンビニは滅多にないが湖があり、山があり、温泉があり、高い建物はなく、自然が彩る景色がとてもいい。なんとなく私の今まで旅してきた地域のいいとこ取りをしたような、そんな事すら思うほどだった。ここに行けば全て揃っているような、全てのアクティビティが楽しめそうなそんな気すらした。宿を取って旅行に行くなら群馬に行きたいと思う。まだ行けていない所や、四季による景色の違いなども見てみたいと思う。
とても良い経験になった。また、必ず群馬に行こう。